AIについての議論が盛んです。特にクリエーターにとっては「仕事がなくなる」「自分の作品をAIに食われるのは嫌」等の意見も散見されます。
一方でAIを有効利用しているクリエーターの活用方法なんかも色々と目にするようになり、「ほほ〜う、そういう使い方もあるのだな」と感心させられることも多いです。
さて、イラストレーターの仕事で面倒な事の一つに契約の取り交わしがあります。
長い契約書面とにらめっこして、自分にとって不利な条件が隠れていないか探し出し、それを新たな内容で書き直して提案し、契約まで漕ぎ着ける。非常に大切なことなのに、およそクリエイティブとは言えない作業に膨大な時間と労力を費やす事で毎回げっそりしてしまいます。
そんな契約書類も最近では僕はAIに手伝ってもらっています。一見問題なさそうな契約文面でも「あぁ、そう言われればそうかぁ〜」といった自分に不利な内容が隠れていたりします。ここで誤解したくないのは、依頼してくれたクライアントの方も悪意があってそのような内容を入れている訳ではないということ。お仕事は信頼関係によって築かれるものなので、事前に誤解を解消していく作業でもあります。
実際AIに契約書の問題点を探してもらうと、
「これだと何度も修正を繰り返してもOKになってしまいますよ?」とか
「納品した作品を第三者が勝手に改変できてしまいますよ?」、
「これはイラストレーターの仕事の範疇から外れます」
……等の内容を見つけて指摘してくれます。
僕が契約内容の穴を見つける際にAIに投げるものはこんな感じ。
「以下の契約書においてイラストレーターとして不利になってしまう可能性がある文言はどれか指摘して。そして修正するとしたらどのような文言にするべき?」
こういったAIとのやりとりを何度か繰り返して契約書の修正文面を作っていきます。
この方法が出来てからイラストの使用期間や著作権周りの難しいやりとりがとても楽になりました。
とはいえ、やはり契約は個々の案件で変わってきます。AIが導き出してくれた問題に「自分であればこういう条件にしたい」という希望を盛り込み、契約書面を作っています。
今後AIがどのような進化をするか、まだまだわからない部分はありますが、僕は上手に付き合っていければよいなと思っています。
ではでは。