自分のタッチの見つけ方

たまに学校のゲスト講師的なお仕事を頂くのですが、僕が天性の話下手でして。仕事中もほぼ一人の作業ですし、お仕事相手とも最近はリモートでしか会わなかったりで、結局一番話すのは家族(と猫)くらいなんですよね。そりゃあ話し上手にはなかなかなれないわけで。よくポッドキャストとかYouTube とかされているイラストレーターの方がいますけど、ほんと凄いな。彼ら。

そんな僕でも若い生徒さんの前では一生懸命話すわけです。話し下手の、精神年齢的には大人とは呼びにくい自覚があるこんな僕も、生徒さんにとっては親とほぼ同じくらいの年齢のプロのイラストレーターな訳で……。

授業で主に話す内容は、今までやってきた仕事をプロジェクターで写しつつ、どのような依頼だったか、どう仕事を組み立てていったか、難しかった/楽しかった点などを解説すると言った内容。

これからイラストの世界で羽ばたいていく子達を前にする訳ですから、それは楽しげに話すわけです。〆切の厳しさなども含めて。

話していて気づくのですが、「あれ?本当にイラストレーターの仕事って楽しいな…?」という事。いや、楽しいからやっているんですが、長年やってきて辛いこともあったけれど、ほんとに嫌で辛くて逃げ出したくなることってさほど無かったな〜と、自分の話の中から再認識するわけです。

そして自分の表現したい方向性がどうやって決められていくのか、といったプロセスなどもおぼろげながら見えてきたりして。

そんな僕の授業ですが、よく学生から「どうやって自分のタッチを出したらいいかわからない」という質問を受けます。星の数ほどいるイラストレーターから自分を探し出してもらうために、どんなタッチでいけば「売れる」のか、分からないですよね。

僕の場合は出発点が「イラストレーターとして売れたい!」というものではなかったというところが大きいです(当初、僕はグラフィックデザイナー志望でした)。「自分のデザインした物にこんなグラフィックを配置したい!」とシミュレーションしていた事が出発点でした。

自分の好きな世界観、例えばこの映画に出てきそうな人物を描きたい、だとか、このビジュアルに避難経路図なんかにありそうな説明図っぽいイラストを添えたい、とか、ここには僕の好きなミュージシャンファンだけが分かるようなネタを仕込みたい!だとか。

そういった、その人の「好きな世界」と言うものがある事で、自然とその人の描くタッチが生まれてくるのだと思います。

なので、「好きなものをとことん愛する」事がイラストレーターには必要だと思います。そうすれば描く作品からも作者の「好き」が意識しなくとも滲み出してくるものだと思うから。

…という夜中に布団の中で考えた駄文でした。

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