イラストレーターの浦野周平です。
スージー甘金さんの展示を見に行ってきました。
僕が初めて『イラストレーター』の存在を知ったのがスージーさんで、KUWATA BAND『ROCK CONCERT』のCDジャケットに描かれていたイラストが出会いでした。
引用画像:Amazon
このCDは桑田佳祐さんがサザン・オールスターズ活動休止中にやっていたバンドで、ライブ音源を収録したもの。歌詞も英語が中心で桑田作品の中でもロック色の強いものでした。
そんなジャケットに塗り要素の多い、日本漫画っぽくもありアメコミっぽさもあるイラストが非常に格好良かったのです。
最初英語で書かれていると思っていた吹き出しのセリフ部分は全部ローマ字。「読める!読めるぞ!」と、当時小6の僕は曲を聴きながらそのイラストを食い入るように眺めていました。
時が過ぎて僕は美大に入り、グラフィックデザインを学びたくなっていました。デザイン学科に入ったもののどちらかというとプロダクト寄りの学部だったため、悶々とした日々を送っていたところ、「浦野君、フラミンゴスタジオのバイトやってみない?」と友人から声を掛けてもらいました。フラミンゴスタジオはイラストレーター界の大御所であり、『ヘタウマ』イラストレーションの元祖、湯村輝彦(テリー・ジョンソン)さんのデザイン事務所です。そしてなによりスージーさんも尊敬する人。
バイトとはいえ、正直自分にできるのか不安の方が大きかったです。
フラミンゴスタジオでの日々は刺激に溢れ、そこでレイアウトを少しやらせてもらったり、イラストを描くお仕事もさせてもらいました。
ある日、「浦野君、コガネムシスタジオにお使い行ってきて」と言われ、僕の中で緊張が走ります。「スージーさんの事務所だ!」フラミンゴスタジオとコガネムシスタジオは同じ新宿にあり、徒歩で行ける距離。にもかかわらず、緊張ですごく長く感じた思い出があります。
玄関で対応されたのはアスシタントの方だったので、ご本人には会えずじまいでしたが、「ここがスージーさんのスタジオか〜」としばらくジーンとしながら帰って行ったのを覚えています。
そんなスージーさんの作品はとにかく「POP」。ポップアートの影響を非常に強く受けつつも、日本の漫画文化も混ざって、コミカルな要素が魅力です。フラットな作品からどっしりした塗り込みのものまで、一貫してそのポップさが溢れています。
我が家にもスージーさんの作品があるのですが、描かれている内容にいろいろ事情があってモザイクまみれになりますが、これです(笑)。
今回お会いして「昔フラミンゴのバイト君としてお伺いしたことがあるんですよ〜」「え!フラミンゴにいたの!?」というやりとりをさせてもらいました。しかも顔を見ただけで「Shu-Thang Grafixだよね?」と読みにくい名前まで覚えてもらっていました。(つい先日屋号を本名変えたのが悔やまれます…。)
以上憧れの先輩に会えたお話でした。
そのうちフラミンゴスタジオの事も書いてみようと思います。
ではでは。