イラストレーターの浦野周平です。
ウェブサイトのリニューアルにあたり、『HOW TO ORDER』というページを追加してみたので、今回はその補助線となるブログを書いてみます。
『イラストレーターへのお仕事の発注方法』とひとくちに言っても世の中のイラストレーターはほぼフリーランス。一人ひとりの絵の個性が違うように、依頼方法もそれぞれ違ってくるかと思います。
とはいえ(ここではあくまで僕の場合を書いていきますが)、多くのイラストレーターは大同小異概ね当てはまる内容かなと思います。
ステップとしては下記のようなものがあるので、順を追って説明してみます。
1.問い合わせ
2.制作料を決める
3.ヒアリング
4.ラフ制作
5.ラフ修正から仕上げ
6.納品
7.精算
1.問い合わせ
当然ココがなければ始まりません。
「絵のタッチからして冷たそう…」とか怖がらずにまずはお問合せしてみてください。
問い合わせの際、
- どういった媒体に
- どのくらいの使用期間
- どんなものを描いてもらいたいか
を明確にしておいてください。もし自分でなにか描ける方でしたらざっくりとしたラフ絵なんかがあってもいいですし、テキストでイラストの内容を伝えていただいてもいいです。また参考になるような画像なんかもあると話が膨らませやすいです。
2.制作料を決める
もし予算が決まっている場合は率直に伝えてみてください。というか伝えてもらえた方が助かります。
「こんな金額では怒られないかな?」等の心配は無用です。
基本的にイラストの制作料は「媒体」「使用期間」「作業量」を加味して算出するオーダーメイドのようなもの。料金表というものが作りにくいのです。
ひとくちにイラスト1点と言っても雑誌のカットから、大きな駅にど~ん!な広告イラストまで様々で数千円~100万円を超えるものなど様々です。
もし想定よりも予算が低い場合には、「申し訳ないですが難しいです。すみません…」と言いますし、「予算内でこういったものなら作れます」等の提案も出来ます。
3.ヒアリング
どういったものを何点、どのくらいの大きさで、などなどイラスト制作にあたり必要な情報を共有します。打ち合わせ現場で盛り上がりその場でイラストのアイデアが決まる事もあれば、一旦持ち帰らせていただいて「こういう風な感じに描こうかと思うんですがどうでしょう?」といった形で提案することもあります。
またこのヒアリングの際、「イラストを他のものにも使いたい場合の二次使用料」「納品されたものをどこまで改変/トリミング/リサイズしてもいいか」等の約束事を決めておきましょう。事前に決めておくと後々のトラブル防止になります。
4.ラフ制作
頂いた内容を基にイラストレーターはラフイラストの制作を行います。僕の場合ははじめからデジタルで線画のラフを描きます。イラストのアングルやアイデアなどをコネコネしながら描いていくので、実は仕上げよりもラフの方が時間が掛かったりします。
出来上がったラフイラストがイラストレーターから届いたら、修正点を伝えましょう。「表情を楽しげに」「髪型はもっと短く」「服はTシャツではなくジャケットで」など分かりやすく伝えます。
5.ラフ修正から仕上げ
ラフで指摘があったものを修正し、特に指摘のないものは色つけ作業と仕上げに進みます。それらを依頼者に再度送り、問題がないか確認してもらいます。
ここで色味も見てもらい、残りのラフにも着色して仕上げます。
6.納品
仕上がったイラストが送られてきたら、最終チェックをお願いします。
色味の修正など軽微な修正をし納品完了となります。
納品完了後の修正は別途作業料が掛かってしまいますので、特に絵柄についてはラフチェックの時にしっかり見ておきましょう。
7.精算
依頼時に決めた内容で変更が無ければそのまま請求書を発行します。追加作業があった場合や、イラスト点数の変更等で料金が変わる場合は双方で確認して、請求書にも反映します。
入金の期日は依頼される会社などによって即金~翌月払いなど様々ですが、早ければ早いほどイラストレーター(というか僕)は喜びます。
なお、下請法により”完成品の受領日”(請求書の日付ではない)より60日以内に支払いの義務が生じます。
以上、イラストレーターへの問い合わせから精算までをざっくり書いてみました。
どうでしょうか?書くと長いですが、ステップとしてはそう複雑なものでは無いかなと思います。
ぜひお気軽に『問い合わせ』から始めてみてください。
最後に「イラストの著作権の買取りはできないか?」というお話をされる依頼者がたまにいらっしゃいます。そしてそれをお断りするイラストレーターが多いと思います。
それは何故かという事と「でもせっかく依頼したイラストなんだから自由に使いたい!」という場合の契約方法等を次回お話しできればと思います。
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